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2014年 10月 18日

ディリーユース限定メンテナンス

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約1ヶ月、仕事の合間をぬって行なった、乗り出し前メンテナンス。

この作業は、雨の日は乗らない、ファクトリーペイントの雰囲気をそのまま残したい車両には、必要のない作業です。
そのようなクルマは、サビや塗装のヤレも貴重な歴史の証人。
ヘタに手は加えたらいけません。

今回の作業は、雨の日も雪の日も毎日付き合い
「末永く乗りたい」人にお勧めの作業で、10年単位で買い換える人に必要のない作業です。
毎日乗りたいはごく全うな要求ですが、実は一番お金が掛かり、一番贅沢なVWとの接し方だといづれ気付くでしょう。
今のクルマと違い、古いVWのボディは錆びやすく、目減りしやすいものなのです。
それを知ってて、このぐらいしてないと、夜露にも塗らすのが心苦しい人には必須です。

あと、この作業のベースとなる個体は、基本的にノンレストアの極上車が望ましいです。
外観はきれいでも、内部にはサビによるガンがマンエンしてる車両は、現在、現存するVWの9割以上と言っても過言ではありません。
最初に、沢山の足を使い、多くのコネクションを用い、ノーマルの人の意見も聞かず、世間では高いねコレ!よくこんなの買うな!?と言われるぐらいの個体の方が後々長く乗れる、本当に経済的な良質の個体をひたすら探すのです。
もし、悪いものを最初から良い状態に持っていくなら、最初に4~500万円ぐらいかけたレストア車からこの作業をスタートしなければ。
それでも、VW社で作った新車にはサラサラ叶わない。
その事実も知っておく必要があるし、いいものが欲しければ、レイトモデルのビートルでも300万円でも安いと言われる時代になりつつあるでしょう。

一部の内容は、それぞれの個体により必要のない作業もあります。

作業内容の紹介は、掻い摘んで作業のパートごとに進行順にお伝えします。




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ラストアレスターまずこれを取り付けるのが前提です。
私自身、20年使ってますが、効果は感じております。
大手自動車メーカーの純正部品に指定されてる製品です。
安心して使ってください。

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最初はクルマの下回りにアクセスしやすいよう、車体をリフトアップし、ウマに載せます。


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バンパー、ヘッドライトの取り外し
そしてドロ落としを目的とした洗車


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錆びてる箇所のチェック


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CNSベベルでサビを落とします。
このベベルは、作業効率の高さと耐久性の高さで私の仕事でも活躍してるものです。
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塗装を剥いだままでは、すぐ金属表面が酸化してしまうため、メタルレディで表面処理します。
このメタルレディは、ペイント前の金属下地処理剤で、錆取りはもちろん金属とペイントの定着を良くします。


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大体のビートルの錆びやすい箇所はこのあたりです。
先ほどの処理後、POR-15を塗ります。
このPOR-15の特徴は、無気孔の塗膜を形成することにより、水分(湿気)を完全に遮断し錆を防ぎます。錆びた表面にそのまま塗布し、錆の進行を防ぐ用途にも使用できます。
20年ほど使用してますが、丁寧に施工した場合、その施工箇所からの錆びの再発は、ほぼ「ゼロ」
と言っても良いです。
ヘタに熱を加えて溶接修理するより、シロウトがサビ補修するなら、これ以上の選択はないでしょう。


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このPOR-15は、ペイント後、完全乾燥すると上塗りとの密着性が落ちる為、せいぜい一日以内に上塗りをします。
ペイントは、フェールリッドを塗料の問屋さんに渡し、調色してもらったもの。
一般的な自動車補修用のウレタン塗料の為、耐久性は良いです。
しっかり調色されていれば、筆で塗っても違和感がありません。


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ボディのタッチアップが完全乾燥してから磨き行程に進みますので、その乾燥時間(7~10日間)の間に、細かいパーツを仕上げます。
まずバンパー
サビ取り→メタルレディ→POR-15→サフェーサー
そして色見本から調色したウレタンを塗り上げ完成です。
最後の写真がNOSのバンパー(手前側)との比較。
かなりいい線にいったのではないでしょうか?


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レンズが汚れでぼやけてるヘッドライトを水洗いします。
その後、完全乾燥させ、また水が入るのは防止する為、本来のシーリング部分に充填させるよう、POR-15を流し込みます。
POR-15は高い接着力とパテに通づる充填性の高さ、そして柔軟性があるため、サビ止めを兼ねて塗ってみました。
結果はどうでしょう?私自身も初の試みです。


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バンパーステーは、最近使ったガソリンタンクのサビ取り液の残りに10日間ほど漬け、水洗い。
その後、ベベル、サンドブラストでサビ落とし。
メタルレディ処理→POR-15ペイント→サフェーサー→ウレタン半つや消し黒ペイント


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1970年代初頭、アルミホイール創生期の頃の品質が低くて、巣穴がフツーに開いたホイール(笑)な為、表面側は雰囲気ある味わいとしても、裏側は腐食が進まないよう、サフェーサー→ウレタンペイントを施しておきます。


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ボディは洗車後、コンパウンド掛け、G-hard によるコーティングを行ないます。
機械になれないシロウトはひたすら手磨きです。


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ボディにマスキングを行ない、アンダーコートを塗布します。
このノックスドールは完全乾燥をしない、そこが塗膜の剥がれが置きにくく、防錆能力が維持できる理由なのです。
ただクルマ屋さんの手を汚して不快な気分にさせてるかも知れませんが。


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フトントフード、リアフードの裏側もしっかりコンパウンド掛け、コーティングをしてもらいます。
苦行です(笑)。


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ボディの中では、一番、埃と水が溜まりやすいドア。
その中を洗浄→錆び取り→錆び止め。
本来は錆び止めにPOR-15を使えばいいのですが、筆の清掃等が面倒臭いので、亜鉛塗料で手を抜きました(笑)。
手を抜いても、どこまで性能が維持できるか?それを数年後にみるもの楽しみです(笑)
せっかくドアパネルを外してるので、ドアロックのメカ、ウインドワインダーへの注油を行ないます。


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ドアパネルに限らず、ビートルのサビでダメージが大きいと思われる箇所に、重点的に防錆ワックスを充填します。
ドロドロと床に落ちるまでです。
ドアパネル内の劣化したスポンジ(隙間風防止)を洗車スポンジから作り、取り付けます。
そして内張りのビニールをゴミ袋を用いて、ブチルゴムで貼り付けます。


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前後のフードシール、フードハンドルのシールを交換します。


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ランニングボードは今回、新品に交換します。
ただこのままだと、ゴムと金属面との間に水が溜まり抜け切らないためサビが発生しやすい。
その箇所に、フッソ樹脂系の防錆塗料を塗ります。
ランニングボードモールはリプロダクションの表面仕上げが雑な為、純正品を再利用します。
そしてランニングボードを付ける前に、取り付け穴とボルトをタップ、ダイス加工し防錆ワックスを塗りつけて組みつけです。
これは、基本的にすべての作業で、純正の中古ボルトを使う際は一通り行ないます。


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組み付け時には、新品パーツを惜しげもなく投入します


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フェンダーの取り付けボルトを緩め、その隙間からボディとボルトに防錆ワックスを吹きつけ、締め込みます。
ベストなのは、フェンダーを外して、ドロを水洗いし、防錆ワックスの吹きつけなんですが、この辺が労力に対する結果として、まあいいだろうと妥協しているところです。
やることがなくなったら(くたばる手前ぐらい?)、1枚1枚丁寧にしてみたいですね(笑)


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こんなときの為にNOS品を取っておいてるのです!
取り付ける際も、当時の人の気分を回想し、取り付け自体も楽しむのです♪


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シートレールのガタを殺す為、ガイドの付け替え、レールのグリスUP


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ホイールの取り付け

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出来上がりました!

どんなに程度の良いといわれてるVWでも生産中止から30年以上前の車両。
もし雨天未使用車を手に入れたとしても、雪国で手入れせず毎日乗ったら、3~4年ぐらいで「ヤレタね~」と言われるのが普通です。
VWは直し続ければ半永久的に乗れる耐久消費財。
ただ、エンジンが調子が良くても、ボディがやれて、床に穴が開く頃には、手放したくなるのが人情。
今回の対策をすることにより、自分のVWに対する意識も上がり、雨の日の翌日が晴れてたら、マドを少しでもあけて換気したり、ドアやフードを開けて水気を乾かしたり。
オーナー自身の意識も高めるのがこの作業の趣旨だと思います。

ダンダン少なくなるクラッシックVW。
ほんの少しの気遣いで、沢山の良質な個体を、後世にのこしましょうよ!

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by VWOCN | 2014-10-18 12:21 | ホリディメンテナンス | Comments(1)
Commented by 高橋 誠 at 2017-06-18 11:04 x
ネットサーフィンして辿り着けましたここまでされるとは、感動です。拍手を送りたいです、本当にコルまのことを考え、近くであれば、、伺いたい位です。頑張って下さい、
当方は、1975、1200LSビートルです。今内装張り替え、シートバトン交換あらゆる消耗品の交換作業中で、非常に拝見してて、励みになりましたので、投稿させて頂きました。


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